目次
鳥山明の漫画の描き方本「HETAPPIマンガ研究所」は、アナログで漫画を描く&鳥山さんのことを知りたい人におすすめ!「添削ページ」や「裏話」などもありますよ
*アイキャッチ画像のアラレちゃんとウンチ君のイラストは、白、が昔描いたファンアート作品です*
初公開日・20180903
更新日・20211111
「ドクタースランプ」
「ドラゴンボール」
世界的に有名な漫画家「鳥山明」さんの代表作であることはご存じだとおもいます。
他には短編漫画やゲームデザイン(ドラゴンクエスト)
同作者のマンガの描き方の本もあるんですよ。
今回は鳥山さんがドラゴンボール連載初期あたりに発売された「HETAPPIマンガ研究所」についての感想を書きます。
タイトル「鳥山明のHETAPPIマンガ研究所―あなたも漫画家になれる!かもしれないの巻 (ジャンプ・コミックス)」感想
漫画の描き方の参考書を集めているんだけど、文字読むの苦手な人でも大丈夫!「漫画形式」で解説しているからです
「漫画の描き方本」はこれまで数多く発売されてきました。
絵や漫画の描き方を解説された本が「すべて文字」ということはありませんが「画像と文字が半々」であったり「画像多めだけど漫画形式ではない」ことが多いです。
今回ご紹介する「HETAPPIマンガ研究所」は、全編漫画形式で漫画の描き方について解説されています。
デジタルで漫画を描く人にもおすすめできるのか?「半分」はおすすめできる
この本が発行された頃はまだデジタルで漫画を描く環境はととのっていない(デジタルでかけたとしても一般的に広まっていない)アナログで漫画を描くのが当たり前の時代です。
そのためデジタルで描く方法は一切なし。
アナログで漫画を描く方法についてのみ。
とはいってもデジタルでも問題のない内容もあります。
「アナログ・デジタル」どちらであっても漫画作りにおいて必要な「キャラクター作り」
キャラクター作りの解説もされているのですが
髪型やスタイル、誕生日や血液型は決めている人は多いですが、ある項目まで決めている人は少ないんじゃないでしょうか?
何かと言うとそれは「口癖」
ドクタースランプのアラレちゃんなら「キーン」「んちゃ!」「ほよよ」「バイちゃ」などなど……数多くの「口癖」があります。
社会現象にもなりましたよね。
キャラクター作成編で「髪型や服装だけじゃなく、口癖も決めよう」のお言葉にはっとした人もいるんじゃないでしょうか?少なくとも私は本を読んだときに気づかされました。
デジタル描きの人が手にとって何も得られないということはありません。
鳥山ファンにはたまらない内容も書かれています。たとえば「ドクタースランプ漫画は奥さんの助言が役立っていた。」などの裏話も!
「ファンションは奥さんからアドバイスしてもらった」
「悟空とブルマがくっつく未来がもしかしたらあったかもしれない」
「こんなことがあったのに、よくご無事で」
「世界に名を知られる鳥山さんがこんな環境で漫画を描いていた時期もあったのか」
など、
漫画を描くことに興味はなくても
「ドクタースランプ」と「鳥山明」さんの昔の様子や思考などが知りたい!という人にもすすめられる1冊となってます。
アナログで漫画をかくときの「決まりごと」について描かれている
デジタルで描く場合は当てはまらないのですが、アナログで漫画のペン入れをする場合はどこから行うかなど、熟練者でも意外と知らない人もいる内容にもふれられています。
惜しい点を挙げるなら?「背景」編ですね
背景の描き方編もありますが……残念ながらくわしく描かれていません。
漫画の背景の描き方を学びたいのでしたら、別の参考書(技術書)をすすめます。
私のおすすめは「風景デッサンの基本」です。
漫画のコマにあてはめて描ける方法もありますよ。
「HETAPPIマンガ研究所」1番の見所といえば「添削」と私は断言します
アマチュア作品の添削ページはとくに漫画を描くことに慣れていない人に読んでもらいたいですね。
「やっちゃダメな例だよ」
それはなぜか? ユーモアに小学校低学年でも理解しやすいように解説されています。
鳥山さんが好む、漫画の傾向も知ることができますよ。
逆にうますぎて「持ち込みしなよー」って言われた、うらやましいお人も。
結論・「HETAPPIマンガ研究所」は、マンガの描き方を知りたい人だけじゃなくて「鳥山さんがまだアナログでマンガを描くのが主流だった頃の様子を知りたい」という人でも楽しめる本となっています。
どこかの雑誌で鳥山さんが「デジタルで描けるようになっていなかったらやめてた。」とコメントされてました。
いつか「デジタルVER漫画(または絵・ドラゴンクエストのデザインを担当されているので)の描き方」発売される日は来るのだろうか? なんて思っていたりします。